【2025台北夫婦たび3日目②】初めての九份を夫婦で歩く。人混みの先にあった、忘れられない台湾の原風景

十分でのランタン上げを体験したのち、私達夫婦が向かったのは九分。

だって、台湾旅行で「必ず名前が挙がる場所」といえば、やはり九份(きゅうふん)ですからね。

赤い提灯が連なる坂道、迷路のような細い路地、そしてどこか懐かしさを感じる街並み。

初めての台湾でも、リピーターでも、多くの人が惹きつけられる理由が、九份には詰まっています。

九份はもともと、金鉱の発見によって栄えた山あいの町。

日本統治時代には多くの日本人技師も暮らし、当時の建物や街並みの面影が、今も所々に残っています。

金鉱が閉山したあとは一時寂れてしまいましたが、映画の舞台を思わせる独特の景観が再評価され、今では台湾屈指の人気観光地として、国内外から多くの人が訪れる場所となりました。

そんな九份を、今回の台湾旅行で奥さまと二人、初めて歩いてみることにしました。

正直なところ、出発前は「人が多そうだな」「坂道や階段が多くて大変かな」と、60代夫婦としては少し構えていたのも事実です。

それでも実際に足を踏み入れてみると、観光地としてのにぎわいの中に、どこか昭和の下町を思わせるような懐かしさがあり、気がつけば人の流れに身を任せながら、九份の空気を楽しんでいました。

この日は、奥さまと無理のないペースで、立ち止まり、眺め、味わいながら九份を散策。

「人気の理由」が少しずつ腑に落ちていく、そんな時間となりました。

提灯が連なる細い通路、九份らしさに包まれる

Uberで効率よく九分駅に到着。
路線バスよりも快適に、かつ、瑞芳駅から10分ほどで到着するのでUberタクシーは便利です。
九分駅から数分歩いて九份の入口付近に到着。
観光客でにぎわい、ここから一気に「九份の世界」が始まります。
この九分入り口のセブン・イレブンが九分待ち合わせスポットとして有名みたいです。
独特の雰囲気がある九分の通路。
あまたの観光客でごった返しです。

食べ歩きも九份の楽しみ、屋台をハシゴし九份傳統魚丸へ

まずは九分グルメを味わってみようと屋台のエビ団子を購入。
3個で110元(540円くらい)。
アッツアツの揚げたてに餡がかかってて漬物もついてます。
ジャガイモコロッケの具にエビを入れ素揚げしたような感じ。
とってもホクホクして激熱で美味。
どこか懐かしい日本人好みのお味です。
エビ団子で勢いをつけて九分の活気ある路地を歩いていると、ひときわ目を引くこの看板に出会いました。
ここは創業数十年を誇る、魚団子(魚丸)の老舗です。
店頭では大きな鍋で次々と魚丸が茹で上げられていて、その湯気と香りに誘われます。
看板メニューの「魚丸湯(魚団子スープ)」は必食です。
その他にも魅力的なメニューがありイートインスペースもあるので中へ。
店内は飾らないローカルな雰囲気で、回転も早いので、散策の合間の小腹満たしに最適です。
自家製の魚団子は驚くほどプリプリした弾力があり、中から魚の旨みがじゅわっと溢れ出します。
さらに「乾麺(汁なし麺)」を一緒に頼んで、特製のタレと絡めて食べるのがお店の楽しみ方。
九分ならではの「伝統の味」を肌で感じることができました。

食後の九分、終わらない坂道と階段の試練

食後は観光客の流れにまかせストリート散策。
ここからが九分の真骨頂。
待ち構えていたのは、どこまでも続く急勾配の坂道と石段でした。
この高低差はなかなかのハードワークです。
道幅が狭い上に、次から次へとやってくる観光客の波。
奥さまと足元を確認しながら、一段、また一段と慎重に踏み締めていきます。
きっつい坂道を登ってきて振り返るとこんな感じ。
だんだん上に上がるにつれてお店はなくなっていきます。

でもこの絶景は、自分の足で一歩ずつ登った者にしか味わえない特権ですね。
汗を拭いながら視界が開けた先に現れたのが、この豪華絢爛な「聖明宮(せいめいぐう)」です。
ここは関聖帝君、つまり三国志の英雄・関羽を祀っているお宮。
商売の神様としても有名ですが、今の私たち夫婦にとっては「ここまでよく登ってきたな」と迎えてくれているように感じました。
で、登ったあとはどうするかというと、もちろん降りるだけ。
いま来た道を今度はひたすら降りていきます。

夫婦たび案内人

下りの階段は歳を重ねるごとにヒザにくる。だから旅は若いうちから行くべき…

九分散策に疲れた足を癒やすべくカフェでかき氷

この時点でPM3時半ほど。
九分からの帰りはPM7時にKlookで乗合バスを予約していたのでピックアップまでには時間がありますから近くのカフェに。
階段(竪崎路)の中腹にあった「心宇食堂(しんうしょくどう)」。
九分を歩く多くの観光客が目にする、歴史的な建物のお店です。

ここは1989年の大ヒット映画『悲情城市』のロケ地にもなった場所らしく、50年代の客棧(宿場)を思わせるレトロな佇まいに、思わず吸い込まれるように入店しました。
PM3時すぎですが、まあまあお客さんがいます。

心宇食堂(しんうしょくどう)のメニューとイザ実食!

芋圓とはタロイモから作られた、薄紫色のモチモチ団子のこと。
タロイモ団子のあんみつみたいな感じでしょうか?
他にもおつまみっぽいメニューあり
エビスープや小菜もありますから飲茶できるお店みたい。
セットメニューもあるようですが…
ビールもあるので即オーダー。
今回選んだのは、最近台湾で非常に評価の高い「バックスキン(Buckskin)」の瓶ビール。
ドイツの伝統的な製法にこだわって台湾で作られている、本格派のクラフトビールです。
一般的な台湾ビールよりも麦の香りが非常に濃厚で、一口飲むとコクのある旨みが口いっぱいに広がります。
それでいて後味はスッキリしています。
奥様はアイスティー
私はバックスキン瓶ビールと九份の名物スイーツ「九份芋圓(ジョウフェンユーユェン)。
階段でヤられた足腰を癒やします。
お団子とあんこの下は黒蜜のかかったかき氷。
甘い物はつかれた体にナイスゥ~♬
甘い物とビールを飲みながら遠くを眺める…

九分は坂道を登り終えると…もうすることがない…

カフェに1時間以上いたものの長居はできないので再び外へ。
でも足が歩くことを拒否しています(笑)
ときおりこんな素晴らしい景色が見れるところがあったり
もう歩きたくない。
でもピックアップPM7時なのでそれまでは九分にいなきゃならない。
とはいえ、階段を降りたら再び登る元気も気力もない…
ということでカフェはしご。
最古の茶藝館といわれる九份茶坊へ。
日が落ちてランタンが灯るまでこのカフェで粘ることにしました。
こちらではちょっと高級な烏龍茶セットメニューがあったのでオーダー。
運ばれてきた茶器セットを前に、店員さんが一杯目を丁寧に淹れてくれます。
小さな茶杯から立ち上る烏龍茶の香りは、驚くほど高く、深く、鼻を抜けていきました。
二杯目からは自分たちで。奥さまと交代でお湯を注ぎ、茶葉がゆっくりと開いていく様子を眺める時間は、最高のリラックスタイムです。
台湾でお茶を頼むとお湯を無限にサービスしてくれるので長い休憩には最適だと。
そうしてゆっくりとした時を高級烏龍茶とともに楽しんでいると…
ようやく九分の夕暮れタイムに。
いよいよランタンに明かりが灯りはじめる時間です。

九分のランタン灯りはノスタルジーを感じさせる

日が沈み切る前に九分ストリートには赤いランタンが灯り始めます
昼間は少し古びて見えた木造の建物や石畳が、ランタンの柔らかな光に照らされて、まるで映画のセットのような、あるいは別世界に迷い込んだような表情を見せ始めました。
茶藝館周辺の赤ランタンです。
何十、何百というランタンが縦横に連なり、薄明かり空とのコントラストが息を呑むほど美しい。
奥さまも「ずっと見ていられるね」と、何度もシャッターを切っていました。
ランタンが灯り始めると観光客はさらに増えましたが、ランタンの灯りの下では、その喧騒すらも九分という街の活気として心地よく感じられました。

九分は途中ですることがなくなって中だるみしたけどランタンが灯ると別世界になったね!

奥さま


夫婦たび案内人

心にぐっとくるというか、なんか懐かしさを感じる原風景って感じで観てよかったです。

台湾の「ダーパオ(打包)」文化!天天利美食坊の牡蠣オムレツやら唐揚げやら

テイクアウトしたのは天天利美食坊名物ぷるぷるの「蚵仔煎(かきおこ/牡蠣オムレツ)」。
小ぶりのプリッとした牡蠣がゴロゴロ入っていて、生地はモチモチのぷるぷる。
上からかかっている甘酸っぱい特製ソースが、卵と牡蠣の旨みを引き立て「かきおこ」の香ばしい焦げ目が、食欲をさらに加速させてくれました。
もう一つは至福の「卵乗せ魯肉飯(ルーローハン)」。
天天利美食坊の魯肉飯は、甘辛く煮込まれた肉そぼろがたっぷりかかっているのが特徴。
そこに、絶妙な焼き加減の「半熟目玉焼き」をトッピングし、箸で黄身を崩し、濃厚なタレとご飯に絡めて口に運べば、もう言葉はいりません。
そして天天利美食坊にいく通りすがりにみつけた西門町の交差点でひときわ目立つ赤い外観の有名店「師大夜市 台湾塩酥鶏(台湾塩酥鶏)」。
台湾の国民的グルメである「塩酥鶏(台湾風からあげ)」の専門店です。
テイクアウトした「塩酥鶏」は、外はカリッと香ばしく、中は驚くほどジューシー。
スパイシーな香りが鼻を抜け、一口食べるともう手が止まりません。
同じく軟骨の唐揚げ。
ということでホテルまでダーパオ(打包)。
台湾の「ダーパオ(打包)」文化とは一言で言えば「食べ残した料理や、持ち帰り用の料理をパッキングしてもらうこと」です。
台湾では高級レストランから街角の食堂(小吃店)まで、ほぼすべてのお店で対応してくれます。
「心宇食堂」のようなお店で、もし美味しい料理が少し残ってしまっても、「打包(ダーパオ)!」と伝えれば、手際よく袋や容器に詰めてくれます。

十分から九分、そして西門でダーパオとなかなかボリューミーな一日でした

奥さま


夫婦たび案内人

いや~九分の坂道歩いたぁ~…ヒザがガクガクブルブルで帰りのバスでは爆睡でした!

【旅の終わりに】十分から九分の灯火、台北の夜食に酔いしれる

九分の「終わらない階段」との格闘も、今となっては心地よい思い出です。

聖明宮から見下ろしたパノラマや、九份茶坊で静かに流れた時間は、慌ただしい日常を忘れさせてくれる特別なものでした。

何よりも忘れられないのは、夕闇に溶けていく街並みにポッと灯った、あの無数の赤いランタンの光です。

幻想的な緋色の輝きは、迷路のような路地を優しく包み込み、どこか懐かしく、そして温かい気持ちにさせてくれました。

奥さまと二人でその光の中を歩いた時間は、今回の夫婦たびの、もっとも美しい宝物になりました。

台北のホテルに戻り、夜食として広げたのは、西門町で「ダーパオ(打包)」してきた戦利品です。

袋を開けた瞬間に広がる「台湾塩酥鶏(からあげ)」のスパイシーな香りと、ニンニクの刺激。

九分の余韻に浸りながら、キンキンに冷えたビールで乾杯。

コクのある本格的な麦の旨みが、揚げたてのからあげと完璧なマリアージュを奏でます。

「ちょっと買いすぎたかな?」と言いながらも、二人で竹串をつつく。

この気取らない、台湾の日常に溶け込んだような「ダーパオ文化」のおかげで、ホテルの部屋が私たちだけの最高のプライベート・レストランになりました。

十分でのランタン上げ、そして九分の静謐なランタンの美しさと、西門町の活気あふれる夜食。

対照的な景色を味わい尽くし、お腹も心もこれ以上ないほど満たされて、台北の3日目の夜はゆっくりと更けていきました。


 

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